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「オーストラリア生活(医療編)」#4 オーストラリア泌尿器科フェローシップを振り返って
Voila!泌尿器科専門医の竹村です。
すっかり更新が滞ってしまいました・・・色々とイベント続きでした。
ジョブ・オファーは突然に
実はかつて勤務していた日本の某がん専門病院にポストが空いたことを元同僚より伝え聞いたこともあり,帰国後の進路のご相談もかねてご連絡してみたところ,すぐにでも帰国して勤務開始できないかという有難いお話をいただきました。
私のように医局に所属せずに海外に飛び出した医師にとって常にリスクとなるのは帰国時に職にあぶれる可能性ですので,飛びつきたい気持ちもありつつもオーストラリアでの契約が来年までなので私が早期終了することにより同僚たちに迷惑がかかってしまう後ろめたさもありつつで考えあぐねました。
A Friend in Need is a Friend Indeed
自分だけでは結論を出せそうになかったため,ざっくばらんに話せるオーストラリアの同僚に相談することにしました。
すると,私の話を聞き終わるまでもなく「Take it, Kosuke! You will regret otherwise」とこちらが呆気に取られてしまうほど即答されました。
曰く「キャリア形成は常に連続的におこなわれるもので,切れ目がピッタリになることはあり得ないし,もしもKosukeがここに任期終了まで残ったところで帰国後に希望する就職先がなければKosukeだけじゃなくて僕たちもUnhappyだよ」と背中を押してくれました。
自分達の目先の利益ではなくて,本当に僕のためにベストと思われる道筋を明確に示してくれた彼のお陰でサーっと頭の中の霧が晴れていく感じがしました。
同僚から上司にもうまく根回しをしてくれたお陰もあって,円満にオーストラリアでのフェローシップ終了→帰国と相成りました。
帰国後の所感
帰国して早々,オーストラリアの同僚が言っていたことは間違っていなかったと本当に思います。
国内屈指のハイボリューム・センターでありながら,職場の皆様に本当に良くしていただいていることもあり,非常に充実した毎日を過ごすことができております(感謝!!)。
また海外で数年働いたことで以前よりも視野が広がり様々なことを俯瞰できるようになった感覚があるのと,外国語で臨床をおこなっていた際に無意識についていた習慣と思われるのですが「大事なことをなるべくシンプルに伝える」ことが医療従事者間あるいは医師患者間のコミュニケーションにおいて結構メリットが大きいことに気づきました。
今後の展望
これまでの経験を糧にして「Think Globally, Act Locally」を座右の銘に,国際学会などでの積極的な情報発信を継続しながら,世界でも有数の医療リソースの揃っている日本で真摯に診療にあたっていこうと決意を新たにしております。
オーストラリアの泌尿器科医がGeneralにがん,尿路結石,腎移植,排尿障害,外傷,女性泌尿器など全ての泌尿器疾患を高いレベルで診療しているのはとても印象的でしたが,やはり個人的にはがんに注力したい気持ちが強くなったのが正直な感想です。
願わくばもう少し目線が高くなったところでまた海外へ‥と漠然と思い描いております(が,それはまだ先の話になりそうです)。
その間,日本から世界に飛び立ってみたい若手医師や,逆に海外から日本に来てくれる医師の手助けができれば幸いですし,自分自身もいつ転がり込むかも知れないチャンスを逃さぬように常にアンテナを張りながら,本ブログを通じて不定期ながら情報発信を継続していきたいと思います。
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