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「カナダ生活(国内旅行編)」#2.2 Québec City
Voila!泌尿器科専門医の竹村です。
前回記事ではモントリオール旅行について書きましたが,今回はケベックシティ旅行について書きたいと思います。
どう移動するのか?それが問題だ
ケベックシティはモントリオール に次ぐケベック州第二の都市ですが,モントリオール から約250 km(東京ー福島間ほど)離れております。
そのため,飛行機で行くには近いし陸路で行くには遠いのです。
主な公共交通手段は長距離バスあるいは鉄道ですが,今回は行きはバスで帰りは電車に乗ってみました。
モントリオールのバス乗り場である「Gare d'autocars de Montréal」はノートルダム大聖堂からも2 kmと絶好のロケーションに位置しておりますので,余裕を持って意気揚々と乗り込むことができました。
ストップアンドゴーの嵐,そして揺れるバス
正午発・午後3時15分着のバスでしたが,市街地での渋滞の影響もありしばらく(約1時間?)はストップアンドゴーが繰り返されることになりました。
さらにバスの室内は狭く膝が前の座席についてしまうほどで,ほぼ満席のため身動きもなかなか取れない状態でした。
乗り物酔いしやすい私にとってこの劣悪な環境は効果テキメン・・・
高速道路に乗る前からすっかりグロッキーになってしまいました。
事前に用意しておいた吐き気止めを内服してなんとか最悪の事態は免れましたが,下車後もしばらくの間めまいに苛まれることとなりました。
一方で,帰りのVIA Rail(電車)は広々した空間で揺れもほとんどなく車内販売もあって天国でした。
時間はバスよりもやや長く4時間程度かかりますが,車窓から覗く風景も朴訥としておりそれはそれで良いものでした。
歴史を感じる街,ケベックシティ
さて,そんな長旅の甲斐あって辿り着いたケベックシティの第一印象は坂や階段がとても多い!
足腰がかなり丈夫じゃないとここでは暮らしていけないのではないでしょうか。
しかし高台から望む景色は素晴らしく,随所にヨーロッパ文化を垣間見ることのできるとても素敵な街でした。
今回滞在したのはそんな高台の頂に位置する,「Fairmont Le Château Frontenac」というシンデレラ城さながらのホテルでした。
ケベックの歴史を紐解く鍵はカトリック教会にあり
ケベックはカナダ国内でも独立した法体系を有していますが,そもそもの発端はカトリック教会にあります。
元々フランス植民地として成立したケベック州が18世紀にイギリス軍に占領された際に,イギリスのプロテスタントを強制するのではなくフランス系住民の宗教(カトリック)の自由を保障すべく1774年にケベック法が制定されました。
ちょうど私達が滞在していた6月24日に「Quebec National Holiday(Saint-Jean-Baptiste Day)」という祝日がありました。
地元の知人によると,この日は「今年も1年間フランス文化を守り通せたぞ」ということを記念して盛大にお祝いするそうです。
大家族のホームパーティーに参加
祝日にホームパーティーに混ぜていただいたのですが,次から次へと親戚が集まりとても皆さんの名前を覚えられないほどでした。
海外パーティーあるあるですが,どうして彼らは挨拶の時に一回だけ聞いた名前を覚えていられるのでしょう?
特に日本人の名前なんて普段全く馴染みがない暗号の羅列だと思うのですが,帰りに挨拶する時に大概ちゃんと覚えていてくれるので感心します・・・。
このパーティーのホストで,消化器内科医をリタイアしたばかりという知人のお父様と色々なお話ができたのも貴重な経験です。
お父様はカナダでレジデンシーを終えてからスイスで臨床フェローをされていたとのことで,海外でフェローシップをおこなうことの大変さやそれを補って余りあるほどのメリットについてお話し下さり,激励いただきました!
彼らを初めとしてケベック州の住民(特に若者)はフレンチ&イングリッシュのバイリンガルなのですが,あくまで英語は手段として話しているに過ぎず,フランス語およびフランス文化を何よりも大切に守っているようでした(欧米に迎合しがちな日本人も見習わなくてはいけませんね)。
英語話者が大半を占め近代的な建造物ばかりが立ち並ぶカルガリーとは同じ国とは思えぬケベック州二大都市への1週間弱の小旅行でしたが,予期せずとても中身の濃い時間を過ごしました。
モントリオールの方が交通の便も良く日本人にも馴染みの深い都市かと思いますが,個人的にはケベックシティの方がより印象深く素敵な街に思えました。
冬は例にもれず熾烈な環境のようですので,(降雪の無い季節限定で)是非とも再訪したいです。
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