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留学準備2022.07.16

「留学準備(就職活動編)」#1 泌尿器科(外科)フェローに応募してみた

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Voila!泌尿器科専門医の竹村です。

今回のテーマはカナダではなくてオーストラリアです。

「あれ,カナダじゃないの?」と思われるかも知れませんが,現在のカナダでの腫瘍内科フェローの後にオーストラリアで集中的な外科トレーニングを積むことを新たな目標にしているのです。

今回はこの目標に至るまでの紆余曲折について,備忘録も兼ねて書かせていただきます。

カルガリーでの苦悩

そもそも現在のカナダにおけるポストは泌尿生殖器腫瘍内科フェローですので,日本で日常的におこなっていた泌尿器科的手技(手術はもとより腎瘻造設や膀胱鏡検査など)とは無縁の生活を送っております。

もちろん,日本で欧米に比して圧倒的に専門医の少ない腫瘍内科を集中的に学べる現在の環境は何物にも代え難いのは事実ですが,日本の泌尿器科医の状況をよく理解してくださっている直属の上司が,私が外科的手技・知識を維持できるように週に1日ほど手術室に出入りできるように各方面に掛け合ってくれたのです。

しかしながらカナダにおける医師登録およびコロナ禍による各種制約の下,断念せざるを得なかったのです。


カナダにおける泌尿器科フェローポストの模索

「こうなったらしょうがない」と,カナダ泌尿器科学会のHP上の公募プログラムに乱れ打ちする作戦に出ました。

CV(履歴書)を添付した定型文メールを宛先だけ変えて下記大学病院に送り付けてみました。

・マギル大学

・ノーサンオンタリオ医科大学

・ブリティッシュコロンビア大学

・トロント大学

・マクマスター大学

・オタワ大学


この手のゲリラ作戦は得てして相手にされないので,半分もレスポンスが返って来れば上出来と言われるのであまり期待はしていなかったのですが,結果的には全ての大学から遅かれ早かれ返事がありました


新設のノーサンオンタリオ医科大学からはプログラム担当医師が直々に「今から電話で話せるか?」と言って下さったのでいきなり手応えを掴めました。

しかし,現在のボスや同僚に相談したところ「ノーサンオンタリオはカルガリーよりも寒いし(!)人口もここの10分の1くらい(=東京の100分の1くらい)だから君の家族はやることがなくてUnhappyかも知れないよ」とアドバイスをいただき,ここは断念することに。


トロント大学&ブリティッシュコロンビア大学は著名な大学のプログラムなだけあって,3月時点でとっくに2023年度の公募は締め切っておりました


マギル大学はちょうど婦人科からローテートしてきていた同僚がモントリオールでレジデントをやっていたと聞いていたので実情を聞いてみたところ「フランス語が喋れないと特に高齢の患者さんとは意思疎通が難しくて,その度に忙しいナースを呼び止めて通訳して貰わなくてはならないのが本当にストレスだったよ」ということで選択肢からは外しました。


マクマスター大学&オタワ大学は,外国人医師の場合は奨学金などで自ら給与を確保できないと採用できないという返答でした。


残すところは現在の勤務先であるカルガリー大学のみとなりました。

気に入っている現在の住まいから引っ越す必要もなく,カンファレンスでも毎週顔を合わせている(オンラインではありますが)気心知れた泌尿器科医とも働けるのは悪くないなぁ,とも考えましたがレジデントが居ないためフェローのDuty(オンコールetc)の負担が重いことを伝え聞いていたので,応募締め切りも先だったこともあり一旦保留として他の選択肢を模索することにしました。


オーストラリアにおけるレジストラ/フェローという選択肢

心臓外科医にとってはメジャーな留学先であるオーストラリアですが,残念ながら泌尿器科医で臨床留学されていたという先生のことは聞いたことがありません(どなたかご存知でしたら是非教えてください!)。

実は,私は学生時代にオーストラリアに1年弱研究留学していたこともあり,現地にも何人か医師の知り合いがおりますが,皆こぞって充実した医師ライフを送っているので,かねてから気になってはいたのです。

オーストラリアの医師のヒエラルキーは少し特殊で北米の医師にとってもあまり馴染みがないのですが,日本でいうところの後期研修医は(Senior)Registrarと呼ばれ,その上にFellowというポストがあります

木村聡先生のHPより引用)


さらにRegistrarは,

Accredited registrar(正規のレジストラ=5年くらい通しでトレーニング受けて,その後はコンサルタントになれるエリートコース。症例も優先的に回される。)

Unaccredited registrar(非正規のレジストラ=1-2年くらいの短期契約。上記正規レジストラになるまでの繋ぎでこのポストに甘んじる人も多い。症例は正規レジストラのおこぼれを貰える。)

と「Accredited>Unaccredited」と明確に差別化されております。


我々外国人医師にとって現地の医師を押しのけて前者にありつけることはほとんどなく,後者でも上々のつもりでポストを探そうとしていたところ,オーストラリアでレジデンシーを終えていた英国人の同僚から「お前は日本で泌尿器科の専門医資格を持っているのだから,わざわざレジストラからやり直さないでフェローやった方が雑用も少ないし良いと思うよ!」という貴重な意見をいただいたのです。


クリニカルフェローへの応募プロセス

そこで早速LinkedInで'Australia Urology Fellow'と検索してみたところ,いくつも出て来るではありませんか!要望にマッチするポストが!いずれも応募締め切りが1ヶ月未満と差し迫っておりました。

・Princess Alexandra Hospital(ブリスベン)

・Alfred Hospital(メルボルン)

・Royal Adelaide Hospital(アデレード)


応募プロセスは単純明快で,州のオンラインシステム上で必要書類(履歴書,カバーレター,各種証明書)をアップロードするのみであっけなく完結してしまいました。

その後は書類選考→オンライン面接→結果発表と進んでいくのですが,3週間連続で受けることになるオンライン面接では毎回のように打ちひしがれることになるのでした・・・。


ジョブインタビューおよび選考結果(現在進行形)ついては,追って記事にしていきたいと思います。

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