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「オーストラリア生活(セットアップ編)」#2 オーストラリア入国からの軌跡
Voila!泌尿器科専門医の竹村です。
前回記事では主にカナダを出国するまでの経緯を述べさせていただきましたが,今回はオーストラリア入国してからのお話です。
ダンボールはグルグルに巻いておけ
日本からカナダに到着した際に,ダンボールに大きな亀裂が入ってしまった(過去記事参照)ことを思い出し,今回は入念に透明テープで隙間なく巻いておきました。
その甲斐あって,今回はこの通り完璧に原型を留めておりました。
サンフランシスコでの学会発表からカルガリーに帰国してわずか数日で寝る間を惜しみながら荷造りをした日々はちょっと思い出したくもありませんが(苦笑),こうして少しずつですが着実に旅慣れていくのを実感できるのは嬉しいものです。
東から西への時差ボケは問題なし
以前日本からカナダへと東に移動した時の時差ボケはなかなか辛いもので,深夜に起床しては昼過ぎに猛烈な睡魔に襲われるという日が続き克服までに1週間弱を要しました。
一方で,今回のカナダからオーストラリアへと西に移動した時の時差ボケは,毎日寝る時間と起きる時間を1時間ずつ遅らせることで比較的容易に,数日以内には克服できました(寝れないものは如何ともし難い一方で,頑張って遅くまで起きていることはできますからね)。
Housing Crisis
オーストラリアでの生活セットアップにおける唯一にして最大の問題は借家がなかなか決まらないことでした。
こちらブリスベンでは現在なんと空室率が0.6%と過去最低水準をマークしており,完全なる売り手市場でした。
具体的には,
1. 下見が大家の定めた特定の日時にしかできない
2. 同時に複数の希望者が下見をするためゆっくり見たりエージェントと話したりできる雰囲気ではない
3. 契約希望の場合には下見したその場でエントリーしないと契約はほぼ不可能
ここで,2.に関連して我々が下見に行ったなんてことはないアパートの一例をお示しします。
比較的便利なロケーションにあるものの,特別新しくも広くもなくかつ「6ヶ月限定契約(強制的に追い出される)」という条件にも関わらずなんと30-40人ほどが押し寄せていたのです。
この時点で外国人である我々には一縷の望みもなく,虚しくホテルへの帰路に就いたのです。
勤務開始が着々と迫ってくる中,家も決まらず途方に暮れる日々が続きました。
家探しの日々
来る日も来る日も不動産サイトをチェックし続けて,郊外まで検索エリアを広げて条件にマッチした(かつ競争相手がそこまで多くなさそうな)物件にありつけました。
勤務開始まで1週間を切っていたこともあり,迷っている暇もなくエントリーしたところ,契約を進めるにあたって入念な審査があることを知らされました。
具体的には,以下の書類の提出が求められました。
1. 身分証明証(パスポート,運転免許証,複数のクレジットカード)
2. 勤務先からの給与(見込み)の詳細が明記された書類
3. 18歳以上の入居者においてはそれぞれ2通の推薦状(家族からの推薦は不可)
4. 直近2年間に住んでいた借家の大家からの推薦状
1-2. は本人確認および家賃の支払い能力を確認する上で当然としても,3-4. には正直驚きました。
就職活動でもしているかのように錯覚してしまうほどの厳しい審査です
そして,特に問題となったのは4. です。
カナダの大家からの揺さぶり,再び
前回記事でサラッと触れたように,前の大家とは再三の議論の上でなんとか妥協案に至ったばかりです。
この上さらに推薦状を依頼するのも憚られましたが住む家が手に入らなくては何も始まらないので,仕方なくお伺いを立ててみたのですが,その時にはここからヤクザのような取引きの幕が開くことになるとは思いもしませんでした。
「良い推薦状が欲しければすぐに(保証金に追加で)5000ドル払え」
「明日まで待つが,対応によっては推薦状の内容は悪いものにせざるを得ない」
「数時間以内に誠意を示さないようなら悪い推薦状を送ることになるだろう」
と脅しとも取れるようなメールが連日送られてくる次第・・・。
相手もあることですので詳細はここでは述べられませんが,文字通り一時も気が抜けない日々を過ごした末になんとか最終的に住む家の鍵が手に入った瞬間のあの安堵感は一生忘れられないでしょう。
奇しくも入居日は結婚記念日でもありシャンパンを買い込んで盛大にお祝いをしようと思っていたにも関わらず,疲労困憊で夕食後には子供を寝かしつけたのか子供に寝かしつけられたのか定かでないほど早々に意識を失ってしまい,気が付けば翌朝を迎えましたとさ(トホホ)。
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